とあるスタッフの独り言。

若手会計士が言いたいことを言う場。

監査法人にいる意味について考えるとき。

なぜ自分は監査法人にいるのか考えることが多くある。

何が得られるのか、ここにいていいのか。

そんなことをかなり考えた。

飲み屋で話すと結構手ごたえある感じなのでクライアントバレナイ程度に

頑張って文章化する。

 

仕事するの意識を共有する機会が少ない

 色んな人にあって監査法人ライフについて考えたのですが、同期でそんなに考えている人は見当たらなかった(本当はみんな言わないだけで凄い考えてるかもしれないが)。あと色んな人にインタビューしていって少しずつ納得感を伴った監査法人にいる理由をつかみ始めているので備忘録として、意識したことと意識していきたいことを綴っていきたい。

 そして監査法人の1・2年目はどうしても単純作業が増える構造になっており、思考停止をしても、ある程度結果を残すことが可能です。そう意味で1・2年目監査をする上では仕事の質が同じだとしてもどういうことを意識して仕事するかで数年後見ている世界が大きく変わってくる仕事だと思います。そのくせ同期と一緒に仕事することが少ないため、同じくらいのレベルの仕事をしている人たちが何を意識して仕事しているかを共有する機会が非常に乏しいと思います。そんな機会の1つになればいいなと思います。

 自分もまだまだ未熟ですので、ここに書いてないけど意識したほうがいいということがありましたら是非コメントに残していただきたいです。

 

監査で意識すること

 社会における各世代の役割、について年初に考えてました。
監査法人の今の上にいる人たち(60歳前後)は、エクセルとかのパソコン技術はもちろん最近の会計制度・監査の事例について細かくは知らないかもしれませんが、その人たちは若いときにサボっていたわけではなく、その時代その時代にあった役割を一生懸命果たしていたのではないかと思います。例えば循環取引であったり連結外しであったりの古典的な監査の不正事例が決して古典的でなかった時代をすごした方々もいて、それらの古典的ですが巧妙な粉飾の手口を強い懐疑心を持って監査していたり、より効率的な監査手続きを模索して監査をしていた人もいたはずです。
 また、元々は沢山ある個人事務所から始まっていたわけで、それがここまで大きな組織とし動いているということはおそらく大きくなっていくクライアントを相手できるように個人事務所を纏め上げることに尽力した人々もいたはずです。
 そういった風に各世代がそれぞれを役割を担っていった結果、僕らが今こうやって監査をしていけていると、思います。

 となると、自然と僕らの世代の役割は何なんだろう、考えることが増えました。

前回も書きましたが、これから監査の市場はシュリンクしていくわけで、シュリンクしていったら監査に従事しない会計士が増えていくわけです。そのときの会計士がどうやって能力を発揮していくか、その道を示すことがこの時代の転換点に立たされている若手会計士の役割のひとつなのではないかと思っているわけです。そんなこんなで監査業界からいつか出ることを前提に監査に従事することで何を得ることができるのか、を頻繁に考えておりました。
 このような発想から強みを考え意識していたので、差別化要因→意識することという流れで話を進めていきます。

 

 

納得のいかなかった「会計士」という強み

 と、本題の前にここでいう”強み”について言及したい。

これについて考える時間が長かった最大の理由が、監査業界から離れて監査以外のことを仕事にしている人たちが
決まって監査法人の時代の強みの話になったときに、監査という経験によるものの話ではなく、世の中的に会計士の信用は非常に高く、その肩書きで信用度を得て仕事できる、という話ばかりだからでした。それはまるで帰国子女の人が就職活動で自分の強みは帰国子女であることです!!、と宣言するような違和感を覚えずにはいられませんでした。帰国子女は他の人との差に過ぎず、強みっていうのはその差が生み出される能力であり例えば、英語ぺらぺらです、であったり、外国人と話すときでも堂々と発言していくところです、っていうものだと思わずにはいられませんでした。

だから監査法人を経た人がいう、会計士という強みについてあんまり納得がいかなかったのです。 

 

会計士という特殊な職業

会計士という差からどんな能力が培われやすいのか、考えるため、会計士は他の職業とどのような違いがあるのかを考えます。

そもそも公認会計士法第1条によると
公認会計士は、監査及び会計の専門家として、独立した立場において、財務書類その他の財務に関する情報の信頼性を確保することにより、会社等の公正な事業活動、投資者及び債権者の保護等を図り、もつて国民経済の健全な発展に寄与することを使命とする。
らしいです笑

この使命から導き出される監査人の特性(他の職業との差)は
① 監査及び会計の専門家
② 独立した立場において
の2軸になると考えます。

 

①の差から生まれる強みを考える。

1、会計監査の知識がつく。
 当たり前ですが、会計と監査に対する知識がつきました。2年強机の前にへばりついて学んだ会計が現実世界ではこうなってるのね、と現場の会計を知ることで日々できています。
本質は机と現場を行き来することで掴める、といいますが比較的机の上と現場の距離が近い学問だなと思いました。クライアントがこてこてのメーカーだからかな…

2、数字の規模感がつかめてくる
 早々に感じたこととして数字の規模感がつかめるようになってきた気がします。
500万円、5000万円、5億円。50億円。500億円
の大きさが少しずつ分かるようになってきてます。
この感覚についてはより研ぎ澄ましていきたいと思ってます。
3(おまけ)、億単位の暗算ができるようになる

規模単位についての話と似ているけども

意識すれば結構億単位の計算ができるようになる。
1万円10万円単位の計算は数学得意だった人だったら頭でできますが、
億単位となってはできない人が多いです。
この計算できるかどうかは慣れの問題なのに、
これができるとなんだか仕事ができる人間ぽく見てもらえます。
上期は30万円が1200台売れましたって話されたときに
「ほう、っじゃ売上で3億6千万円すか」っていうだけで結構一目置かれたりする気がします。
退屈な開示チェックのときにオススメです。
出てくる数字を確認しながら、1000で割った数字を心でつぶやく、
10000で割った数字をつぶやくといった感じで。
これやってると開示チェックにもゲーム性が出てきました。


②の差から得られるものを考える。

実は監査から得られるものってこっちの視点から得られるものが大きいんじゃないかと思ってます。
1、情報の密度が非常に濃い
 これはコンサルやアドバイザリーの経験のある上司などが言うことですが、
独立性が担保されている関係で超機密度の高い書類にも目を通せてどういう方針なのか、どう手続きを経るのかを見ることが出来ます。独立性の入念な確認をされているため、コンサルの人間ですら見ることができない書類に目を通せます。 

2、社内のゲームバランスを感じ取れる
 社内の部署如何で価値観が異なっていて、この関係性などを俯瞰できる立場にある。営業部は製造部とか企画部のせいで売れないと思っているし、製造部は営業部のせいで売れないと思っていたりする。あとは、社内の権力構造(業態的に○○部が力を持つ構造になっている)だとかも上司が詳しかったりして、なかなか中にいる人間では分かってない視点で社内を見ていける気がする。

3、社内の人たちの行動心理を感じ取れる
 プロジェクトマネージャーが引当金を計上したくない、っていう心理は予算と合わなくなるとか評価が下がるからとか簡単に分かる。ただクライアントの揉めるときはこういうケースではなくて、クライアントもクライアントで交渉したい理由を持っている。例えば、現場的には皆で力をあわせてどうにか黒字になったのに管理不能差異が発生したから現場の人たちのことを考えるとどうしても赤字にしたくない、という心理が働いているケースだとか。この人はなんでこんなに利に合わないことを言っているのだろうと真剣に考えることで立場が与えるプレッシャー・責任を学ぶことが出来る。これは監査に限らず、各立場の人と話す際に非常に便利になると思う。現場の技術者、経営者、経理、購買部、プロジェクト管理者、みんな行動心理が違う。これのみんなの心理が重なって影響を与え合って組織を動かしている。これの第3者だからこそ見える視点なんじゃないか。

4、業界のゲームバランスを感じ取れる
 社内のゲームもあるけど、業界でのゲームもある。というか業界のゲームバランスで勝敗がほとんど決まっているといっても過言ではない気がしている。メーカーと小売り会社の力関係や下請けと大会社の力関係を知って、なぜこの力関係を崩せないのか、崩すためにはどんなゲームをしているのか、を考える機会も第3者としての立場だからこそ見える一面なんじゃないだろうか。

 

以上、クライアントの情報流せないので超抽象的になってしまったが、

スタッフ時点で監査に飽きるほど退屈ではないんじゃないか、ほいほいと転職する前に監査で何を得られて何を得られないのか考えたほうがいいんじゃないかと思ったので投稿してみました。