とあるスタッフの独り言。

趣味は考え事(主に分析と分類と抽象化)と、最適化。そんな若手会計士が思ったことを呟く雑記。

監査の未来について考えるとき。

生意気なことにまず自分が考えた短期的な監査の未来について話したいと思います。

 

監査は当分アナログの道を進む

 会計士の仕事はAIに取って代わられると言われ始めてからもう2年くらいはたっているのでしょうか。AIに詳しい人は必ず会計士の仕事はなくなっていくといいます。
今年は果たして本当になくなっていくのか、無くなるといってる人は会計のことを何もしらずに言っているだけなのではないか、またはAIの力を過信しているだけなのではいかと思い、自らコードを書いてみたりもました(今もまだ勉強中です)。

 昨今技術の発展は著しく、もしゼロから会計システムを構築することになったら、かなり今の会計システムと違うものができると思います。僕自身色々本を読んだ結果100年後、自分の孫ひ孫の代には監査に従事する人間は今の10分の1くらいになる、と思うようになりました。
 会計監査は一方で既に出来上がっている制度であり、監査・経理に従事している人間も非常に多くいるので、そう簡単に今の状況は変わらないと思ってます。

 そして仮に経理機能の機械化が凄い勢いで進んでも監査は(幸か不幸か)非常にアナログな道を当分辿り続けるのではないかというのが今年考えた予想です。

 

監査の効率化のインセンティブ

 

 監査法人の報酬は基本的に、工数(働いた時間)×単価で決まります。
サービスの価値を高めて単価を高めることが理想的ですが、
僕の感触として世の中的には企業は有価証券報告書を提出するための義務として「監査」を受けているだけで
それ以上の付加価値を本当に求めている会社は決して多くはないのではと思います。
(もちろん、会計士に新しい事象に関してどのような処理をすればいいのかの相談などはありますが、報酬の大部分はコモンディティ化されている監査のはずです。)
以上を踏まえると、単価は凡そ一定であると考えることができます。
そう考えると監査業界を今のまま存続させるためには工数を一定水準の高さに保たねばなりません。

経理機能の自動化は、
事業会社から考えるとコストカット=利益の拡大という大きな成長に繋がりますが、
監査法人から考えると、自動化=工数↓=売上減少と、自らの首を絞めることになるのです。

 

「みんなで横一線」

 

そうなると機械化が進める動機が一体だれが持つのでしょうか。
世界の会計ビッグファームのPwCのグローバルでの売上も半分くらいがAssuaranceです。
売上の主力である監査報酬をビッグファーム主導で減らすような真似はしないのではないか。
だから現状の大規模な人手不足は、機械化による効率化というソリューションではなく
単純に人を沢山雇うというソリューションで落ち着かせるのではないか、というのが僕の仮説です。

もっと妄想を膨らませると
そして、これからのビッグファームの戦略としては、
監査工数が減りそうな監査の自動化の施策を打っているように見せながら、
各ファームの自動化のスピードを注視しながら、程よく監査が効率化してるような風を見せるのではないでしょうか。
というのが僕の現時点の妄想です。

最近は監査×AIの記事をよく見かけますが、どれほどの本気度合いなのかは今後も注目したいと思います。

 もしこの業界で機械化のスピードが進むとしたらベンチャー監査法人みたいな人たち、既得権益(既存の顧客)をそこまで持ってない監査法人が誕生して凄い勢いで市場を広げる時なのではないかと思っております。
 しかしこれも現状の経理のアナログなこと・結局法廷監査である以上制度上決まっていることは行わなければならないことを考慮すると機械化を進めていく第3者の登場で一気に監査の自動化が進む可能性としては非常に低い、と思います。

 

 以上より、あと10や20年で監査してる人はあんまりいなくなるかもしれない、ということはあり得ないというのが僕の2016年考えたことです。